2013年09月15日「御国を来たらせたまえ」渡辺敏雄牧師

聖書箇所:ゼカリヤ書8章1~8節

説教要旨:
捕囚のイスラエルの民がカナンの地へ帰還してから20年ほどたったときに、預言者ゼカリヤが民に告げました。御国がやってくることを。
それはこの地上でのことです。広場に幼い子から高齢者までさまざまな人々が集い、笑い声で満たされるときが来るとの預言です。
当時のイスラエルはバビロニアによって破壊された神殿はまだ完成しておらず、国土も荒廃から立ち直っていない状態でした。人々は日々の生活に追われ、厳しい毎日を送っていたのです。
広場に憩うことはなかなかできない状態であったのです。
そんな中にあってゼカリアが告げた預言は民を励ますものでありました。
私たちは神の御国と聞くと、天国を思い浮かべてしまいがちにありますが、決してそうではないのです。
主が私たちに祈るように教えられた「主の祈り」において「御心の天になるごとく、地にもなさせたまえ」と私たちは祈ります。
それは御心がこの地上で実現することは主の願うところでもあることを示しています。
今日の箇所で御国の一つのイメージが描かれています。それは年齢差、世代を超えているということです。
ある特定の年齢層だけが御国の構成員ではないのです。
そしてそこは笑いの満ちるところです。誰もがそこに招かれ、誰もが孤独になることなく、疎外されることなくそこに楽しく居ることができるところです。
それは決して天においてだけ起こることではなく、この地上においても起こることが主の御旨です。
完全な形においては罪ある人間には無理ですが、そのような状態に近づけることは主が私たちに期待するところであります。私たちはそのような方向へと歩み出すとき、主は御助けを私たちに与え力添えしてくれます。この主の御力なしでは私たちには不可能です。ですから私たちは「御国を来たらせたまえ」と祈ることが必要となるのです。主は祈りにこたえ、御国の前進をこの地上にあって図ってくださるのです。